佐藤未瑛 来客の後 of Gallery Forgotten Dreams

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Art Gallery
Gallery Forgotten Dreams


佐藤未瑛 来客の後



駅前カフェ500pix.jpg

撮影:Oギャラリーeyes





2015年4月11日(土)~5月6日(水・祝) 
12:00 ~ 19:00
月・火曜休
但し、5/4・5(月・火 祝)は営業

4/11(土)は作家在廊予定






心の裡に投影された刹那の瞬間を描き出し、冴えた叙情性を表現している

        当ギャラリーの秘密兵器、佐藤未瑛の個展を一年半ぶりに開催する。
        佐藤は神戸に生まれ育ち京都に学んでおり、活動の拠点はほぼ関西圏に置いている。
        現時点まで関東圏での展示機会は前回当ギャラリーの個展だけであり、まだフレッシュそのものであると言える。
        しかし、その実力は前回の個展でも識者から「これからを見守りたい」と評価していただいた。

        佐藤の描く題材は、もっぱら普段生活している神戸の街角の風景である。
        その何気ない日常の一齣を捉えながら、とてもユニークな画面を描き出す、そこに彼女ならではの持ち味がある。

        最近インターネット上を中心に、「錯視」を扱った画像や映像が次々と話題になっている。
        錯視というのは、俗に「目の錯覚」とも呼ばれる、視覚上の錯覚のことである。
        ものの形や大きさ、明暗、色、動きなどが実際とは違うものに見えたり、人によって違って見えたりする。
       場合によっては同じ人でも時と場合によって違って見えることさえある。
        現につい先日見た洋服の画像では、時に白と金に、別の際には青と黒に、同じものなのは間違いないのに
       全く別の色に見えてしまい、酷い時には一瞬目を離した隙に入れ替わってしまうことすらあって当惑するばかり。
        しかと見ている筈のものを信じられなくなる、そんな瞬間であった。
        これまで当たり前のものとして捉え認識していた万物が本当は自分がこうだと思っているものそのままなのか、
       あるいは本当は全く違うのにそう見えているだけなのか、自分の目や知覚というものへの疑問が生じてしまう
       きっかけともなっている。
        皆が同じものを見て同じものとして認識している、そう楽天的に信じていたのは単なる幻想に過ぎず、実は個々が
       全く違うものと認識していながら、そのずれに気付かず同じだ、という前提に則ってそこを確認もしてこなかっただけ
       なのではないか、そんな疑念にまで発展してしまいそうになる。
        心霊現象なども、ほとんどの人には認識出来ない何かを画像・映像として認識してしまったことに由来する
       一種の錯視、なのかもしれない。

        佐藤の作品では、風景を題材としながら独創的な色遣いが施されており、フォルムも見慣れない不思議な「もの」が
       描き出されたりしている。
        しかし、それは決して彼女の空想や創造などではない。
        あくまでもある刹那の瞬間作者の心の裡に投影された外界の景色を捉え、それをありのまま画面に定着しようと
       苦闘した結果である。
        画面を観る者にとっては新鮮であり斬新にすら見え独創的な世界と感じるものが、彼女にとってはほんの一瞬で
       あったとしてもその瞬間における現実であり紛れもない「真実」に他ならない。
        われわれは作者が見たものを追体験し、自分が日常認識していると「思い込んでいる」現実世界との落差に
       驚かされる。
        そこに新たな気づきや発見があり、人を惹き込んでいく力の源泉が湧き出しているのだ。
        この主観的真実を佐藤は「来客」と名付けた。
        それは、Gallery Forgotten Dreamsのモットーである「一期一会」を旨とした茶道の世界にも通ずる、主客すなわち
       作品と鑑賞者の間にしばし生み出される紐帯や対立といった精神的交流をもたらしてくれるものである。
        今回発表する作品ではさらに一歩踏み込んで自らの感情や心情をも投影し人物も登場するようになって、
       柔らかで幻想性を加味した印象を与えてくれる。

        冴えた美しさと叙情性が燦めく佐藤未瑛ワールドを、是非御堪能あれ。


 作者のことば



      この世界を概念的に捉えることが出来なければ、ルールでまとめられた
      現実の中で生きていくことはできないでしょう。
      しかし、自分を保つための世界との一定の距離感が崩れていく瞬間も、
      また生きていく上でとても重要なことだと感じます。
      夜のフォルム、窓の反射、或いはそこに佇む人々・・・
      この何の変哲もない光景が、束の間の来客となって世界の認識を
      変えてくれるのです。
      再び現実に溶け込めばもう二度と出会うことは無いのかもしれませんが、
      だからこそ、そこに切実な価値を感じます。
      私の制作では、刹那的に留まっていく不可視の現実世界を
      相対した来客の痕跡として、キャンバスの上で可視化させることを
      試みています。


さとうみえい プロフィール


略歴
   1987年     兵庫県出身
   2008年     京都市立芸術大学美術学部美術科入学
   2012年     京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業


展示
   2008年 8月   人物画展   ROUGH RARE /神戸 
   2009年 2月   京都市立芸術大学作品展  京都市美術館/京都 
        3月   ハツタチルドレン  北野坂ギャラリー/神戸
   2010年 2月   京都市立芸術大学作品展  京都市美術館/京都
        3月   ハツタチルドレン  北野坂ギャラリー/神戸
   2011年 2月   京都市立芸術大学作品展   京都市美術館/京都
        5月   YUGA-YUSHi展   京都市立芸術大学大ギャラリー/京都
   2012年 2月   京都市立芸術大学作品展   京都市美術館/京都
        8月   TourbillonX part2 Oギャラリーeyes/大阪
   2013年 5月   「outside and the inside-溢れる眺め」 Oギャラリーeyes/大阪
        9月   個展 「another」 Gallery Forgotten Dreams/東京
   2014年 10月    個展 「佐藤未瑛展」 Oギャラリーeyes/大阪
        12月    グループ展「コンクリート・ニ・モル-Ⅱ-」 GALLERY北野坂/神戸





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