塩見 徹 Natural Theology of Gallery Forgotten Dreams

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Art Gallery
Gallery Forgotten Dreams




塩見 徹 Natural Theology

AppleII_1982-sideA-800pix.jpg

2015年10月17日(土)~ 11月 1日(日) 
12:00 ~ 19:00
月・火休





            ミクロからマクロまで、鑑賞者の意識によって重層的にさまざまなものに見えてくる幻想的とも
           言える世界。

            今回、一年半ぶり3回目となる個展では、前回発表した「Nature of Civilization」シリーズを
           発展・深化させた作品群を展開させる。

            「Nature of Civilization」シリーズは基板を特に加工することなくライティングを演出することで
           撮影していく作品群である。
            その絶妙な光のマジックにより、電子回路である筈の基板画像が、地図であったり、都市の
           鳥瞰写真であったり、地下鉄や道路の路線図であったりに見えてしまう。
            文明の行き着いた極地である電子機器の部品が、もっとマクロな文明の総体そのものを表して
           いるかのようにも感じられる。ミクロからマクロまで、重層的に幾通りもの解釈が可能になる。
            それ自体は鑑賞されることを意図して作られたものではないのに、そこには見事な美の魅力が
           隠されていたことを知った。
            それは、まさに現代における「用の美」であると言うことが出来よう。

            今回、新たな用紙とパネルで表現することにより更なる境地を開拓している。「ULTRA2014」で
           一部発表し大変好評を博した。

            今回は一般にPCが普及する原点になったとも言える「AppleII」や「NEC PC98」をも配しながら、
           その中核はゲーム機のハードとソフトの画像である。
            エンターテイメントとして若年層から新たな文化を築き上げてしまったゲーム。
            その出発点とも言えるハードやソフトからは、写っているものだけでなくその歴史や記憶をも
           呼び覚ましてしまう。

            また金銀銅そのものを撮影する、というユニークな作品も登場する。
            これらは、電子機器などにもふんだんに使われ「都市鉱山」とも言われている。
            一方で文明の最初期から注目され採掘~製錬され利用されてきたものでもあり、人間の文明とは
           切り離すことの出来ない存在でもある。
            いや、むしろ文化文明はこれらの発見とその所有への欲望から生まれ出てきたものなのでは
           ないだろうか。電子機器にとっても文明にとっても根元的な素材であることは間違いない。
            ともあれ、その妖しくも これら貴金属の輝きは、太古より人を魅了して止まない。
            光の表現を追求する塩見ならではの題材であるとも言える。

            より純度の高い表現を目指し、シャープながら温もりも感じさせる独特な光の空間を御堪能あれ。



作者のことば



       【Natural Theology】

        ヒトは太陽や星の運行や動植物の生態といった自然界の法則を知る事によって、航海術を発達させ、
       農耕の生産性を高めてきた。悠久の時を経て築かれた文明からは、やがて自然科学が産まれ、
       産業革命が起こり、現在がある。
        自然科学の原初的な目的は、神の英知を知ることであった。ロバート・フック、アイザック・ニュートン、
       チャールズ・ダーウィン。理科の教科書にも名を連ねる彼らもまた然り。英知の探求者は、やがて
       「科学者」と呼ばれるようになった。
        終わることなき探求は続く。その先端と無限に広がり続ける裾野から産み出される数多の工業製品は、
       英知の結晶であるとともに英知の一部となりつつある。その勢いは地表を覆い、ヒトを囲う。だがしかし、
       表面的な形態や機能、内在するメカニズムがどれだけ動的な様相を呈していようとも、世界のエレメントは
       何も変わらない。
        知識は力なり。ヒトは観察し、それによって知ることができる。その英知を文章で綴ることも、数式で
       表すこともできないのなら、せめて写真に撮ろうと思う。

       “Hypotheses non fingo”*
       -Isaac Newton, 1713, General Scholium; Philosophiae Naturalis Principia Mathematica 2nd edition.

                                                  塩見 徹


                                         *ラテン語で「私は仮説を立てない」の意





しおみとおる プロフィール



展示:
1980 京都府福知山市に生まれる
2009 東京理科大学大学院理工学研究科博士課程修了(理学博士)
現在フォトグラファー・写真家として活動中。

受賞歴など:
2011 「Prix de la photographie paris」
2012 「ART & PHOTO BOOK EXHIBITION 2012 招待作家」(新宿眼科画廊)
   「2012JPS展」入選
   「Photographer‘s Forum magazine -32nd Annual Spring Photography Contest」 FINALIST
2013 「Tokyo International Photography Competition 2013」 受賞

展示:
2013 個展 「Time・Dimension・Vector」 (Gallery Forgotten Dreams)
2014 個展 「Nature of Civilization」 (Gallery Forgotten Dreams)


作家Webサイト: http://torushiomi.jp/